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第3回 今度こそアルティメットの傾向と対策
さて、アルティメットである。
前回は尻切れトンボで終わってしまったけど、今回は最初から最後までユルメの攻略系の内容でお伝えしましょう。
アルティメットはとても強い分、ちょっとクセがある。強力助っ人としてデッキに3枚だけ入れる分には問題ないけど、アルティメットを最大限活躍させようと思ったら、きちんとアルティメットを理解してあげる必要がある。左利きのストライカーなのに、右足の前にスルーパスを出してもシュートはゴールではなく宇宙に飛んで行ってしまうのだ。偶然うまくいくことはあっても、それでは良い司令塔にはなれない。チームメイトの特徴を理解しなくてはグループリーグ突破もままならないのだ。最終コロンビア戦の前に、予選突破を決めておかなくてはならないのだ! 頑張れザックジャパン! ザックジャパンはどうでもよくて、アルティメットのお話である。
さて、アルティメットを使いこなす上で、欠かせないのが「アルティメットシンボル」と「召喚条件」だということは前回書いた通り。
ふたつのキーワードのうち、より重要なのは「召喚条件」の方だ。
通常、アルティメットはその色のスピリットが1体いないと召喚できない。どんなに強力なアルティメットが手札にあっても、どうしてもスピリットが必要なのだ。アルティメットがたくさんのデッキだと、召喚できるスピリットがこなくて手札はアルティメットだらけ。よってフィールドが空のままということも十分考えられる。
これを防ぐためには、デッキには少なくともアルティメットの枚数以上のスピリットが絶対に必要だということがわかってもらえるだろう。FWだけでは試合に勝てない。DFやMFが必要なのだ。
では、スピリットが入っていさえすればいいのか?
ここが重要である。アルティメットを使う人も、アルティメットデッキを倒そうと思う人も、どちらにも重要なことなので、しっかり赤線を引いて欲しい……けどウェブページでは無理なので、脳内で赤いラインを引いてつもりで覚えて欲しい。
相手に、自分のフィールドのスピリットを狙って破壊されてしまうと、手札のアルティメットは出せない。
立場を変えて同じことを繰り返そう。
フィールドにいるスピリットさえ破壊してしまえば、相手のアルティメットは戦わずに無効化できる。
つまり、相手によってスピリットが破壊されていくことで、初期の手札事故に限らず、手札にアルティメットだけで展開できないという状態はゲームの最中にも起こってしまうのだ。というか、それを狙ってスピリットを破壊していく戦術が、今ははっきりと強い。さらりと重要なことを言ってるね。今ははっきりと強いのだよ。
回避する方法はある。
手札にアルティメットとスピリットをセットで持って置き、同時に出せばいい。
あら、なんだ簡単じゃないか、そう思った人もいるでしょう。お気楽極楽じゃないか、なんでそんなに大げさなんだと思う向きもあるでしょう。
そこでもうひとつの特徴「アルティメットシンボル」が浮上する。こいつのことも抑えておかないといいパスを出せ……アルティメットの真価を発揮させられない。
すべてのアルティメットは、6色のシンボルのかわりに「アルティメットシンボル」を持っている。これは一部を除き基本的には「他のカードのコストを軽減できない」ことを意味する。もらったパスは絶対自分でシュートする単独突破型のFWなのだ。リターンパスを期待しても返ってこないのだ。日本のFWにありがちな、そこはパスじゃなくてシュートでしょ! という場面とは無縁なのだ……みなさんついて来れてますか? おじさんアメフトも大好きだけど、そっちだともっとついて来れないよね?
コアは1ターンに通常1個しか増えない。軽減できないカードな上に、コアを1個余分に使わなくてはならないのは、1ターン分その後の展開が遅れることを意味する。うーん、文章で説明するだけじゃわかりづらいから、ひとつ例題を使って考えてみよう……と思ったけど、真面目に攻略していたら、随分長くなってしまいました。サッカーネタのせいですか?
というわけで、今回は宿題。
あなたの手札:手札のカードは全て同じで色であり軽減シンボルも2つ以上持っている、シンボルを1つ持つ3コストのスピリット2枚とアルティメットシンボルを1つ持つ4コストのアルティメットと7コストのアルティメットが1枚ずつ
あなたのリザーブ:コアが8個
あなたのフィールド:なにもなし
相手のフィールド:赤の3コストのスピリット1体、「アルティメット・ジークフリード」1体
手札には低コストのスピリットとアルティメットが2セット。しかもアルティメットは低コストと高コストが揃っているという状態です。
あなたならどうしますか?
次回はこの例題を考察するとともに、アルティメットの弱点を踏まえた上でのデッキ作りに関して考えてみましょう。
では次回「アルティメットのデッキ」でお会いしましょう。
中澤 光博
(株式会社ORG)
数多くのトレーディングカードゲーム開発に携わっており、BattleSpirits開発初期からゲームデザインを手がけるクリエイター。公式大会ではジャッジも務める。