バトスピの世界観

契約編:界の世界観

第3章 エピソード2:プチランポ

相棒無頼ヴリック
「ランポを発見……やはり、縮んでますな。何かに追われているようだが、まずは、カイの旦那に報告を……と」
「それにしても追っているのは、レジェンドスピリットですかい? もう目覚めていやがるたぁ、せっかちなこって」
プチランポ
「こっちこっち~、ぼくに追いつけるものなら、追いついてみなよ」

プチランポは、レジェンドスピリットの1体であるキングタウロス大公に追われていた。ぴょんぴょんとあちこちに飛び回るプチランポに、さすがのキングタウロス大公も惑わされてしまっていた。

一方その頃、トアたちもレジェンドスピリットを探して最果ての森を訪れていた。

契約の巫女トア
「あれ、噂のレジェンドスピリット、キングタウロス大公じゃない!? なんでもう目覚めちゃってるの?」
プチグロウ
「また、カイのやつがなんかしたのか?」
契約の巫女トア
「……ありえる。とにかく、目覚めちゃってるなら急がないと! あたしたちも追いかけよう」

森の中をあてどなく跳ね続けるプチランポ。森の至る所から響いてくる激しい衝撃と破壊音を頼りに森の中へと進んでいくトア。やがてふたりは――

「うわあっ!」
「むぎゅうっ!」

出会い頭に衝突するトアとプチランポ。

契約の巫女トア
「いった~、なんかにぶつかったぁ~」
プチランポ
「きゅ~、お星さまがみえるよお~」
プチグロウ
「お、ランポじゃね~か、久しぶりだな。やっぱ、お前も縮んでたか」
プチランポ
「あ~~~っ! グロウ! わ~いわ~い、ひさしぶり~、会いたかったよ~」
「ねぇ、ねぇ、ダンは? ダンは何処にいるの?」
プチグロウ
「むぅ……それなんだがな……」
契約の巫女トア
「それはあたしが話すよ。初めまして、ランポ。あたし契約の巫女のトア。実はね――」

トアは、これまでのこと、囚われたダンのことを語った。

プチランポ
「む~、ダンいないのか~~……ダンに会いたいな、また会える?」
契約の巫女トア
「うん、必ず会える。君が力を貸してくれれば!」
プチランポ
「うわ~そっか~、ぼく、力かす! がんばるよ~」
プチグロウ
「へへへ、お前ならそういうと思ったぜ。また、よろしくな!」
プチランポ
「わ~い、また友達がふえた~。よろしくね、みんな~」
花相棒フラウ
「ワタシ、フラウ~。ねぇ~、さわってもいいかな~?」
プチランポ
「うん! いいよ~」
花相棒フラウ
「わは~、ぷにぷにしてかわい~ね~。ぷにぷに~」
プチランポ
「えへへ~、くすぐったいよ~。それっぴょんっ!」
契約の巫女トア
「緑のスピリット同士気が合いそうだよな~って思ったら、やっぱりだったわ~」
幻相棒パルム
「ゆるきゃら、というやつですな。これはこれでアリだと思います」
冥相棒カミュ
「……ずるい。ウチも……お触りしたい……」

プチランポはキングタウロス大公をうまく撒いてきたようで、これ以上襲われる心配はなかった。彼は、審判の日から今日までのことを語ってくれた。

プチランポ
「ぼく、気づいたらこの森にいたんだ~。新しい友達もできたんだけど、ずっと寝てたんだよ~。そうしたら、あのおっきな乱暴者がやってきて~、追いかけっこがはじまっちゃった~」
プチグロウ
「お前、さっきまで寝てたのか。寝坊だぞ」
プチランポ
「えへへ~、ぐっすり眠れた~」
プチグロウ
「よかったな。じゃあ、次はお前のエンゲージブレイヴを探さなきゃな」
プチランポ
「エンゲージブレイヴ~?」
プチグロウ
「ああ。この姿になったオレたちの力の大半はエンゲージブレイヴになって近くに眠ってる。それが無けりゃまともに戦えねぇ。なんか思い当たることねぇか?」
プチランポ
「う~ん。ぼく、ずっと寝てたからな~……でも、なんとなく、あっちの方な気がする~」
プチグロウ
「その自信はどっからくるんだ? けど、コイツの勘、当たるんだよなぁ」
契約の巫女トア
「エンゲージブレイヴの位置なんだけど、近くにいったら分かるかも。ヒートライザーのときも近くに来たら、そこにある! みたいな力を感じたから」
プチグロウ
「なるほどな。お前たちを信じてみるぜ! じゃあ、ランポ案内頼む!」

プチランポの勘を頼りにエンゲージブレイヴを探すことになったトアたち一行は、ほどなくして、森の奥で地面に刺さるエンゲージブレイヴ、サンダーエッジを見つけるのであった。

プチランポ
「これがぼくの半分か~」
契約の巫女トア
「ホントに、あった……」
零相棒ウィズ
「野生の勘というやつだな」
鷲相棒ガット
「アンビリーバボー! ミーの無くした羽ペン、探してくれないかナ☆」

エンゲージブレイヴを見つけたのもつかの間、トアたちの前に再びキングタウロス大公が現れる。執拗にランポを狙うキングタウロス大公。なぜか大公はプチランポに固執しているようであった。

ウッドマンドリル
「ワシ見とったぞい。そこのちっこいのと、そのサンデーゲッチューが空から降ってきて、そこの乱暴者の頭に刺さったんじゃああっ!」
プチランポ
「………………そうだったかも~?」
契約の巫女トア
「それで怒ってるんだ! ランポ、ごめんなさいした方がいいかも」
プチランポ
「うぅ~、ゴメ~ン。大公~、許して~」
契約の巫女トア
「ダメだ、完全に我を忘れてる。このままじゃ……ランポ! サンダーエッジをエンゲージして!」
プチランポ
「うん、わかった~。サンダーエッジ、エンゲージ!」

プチランポの身体から雷が迸り、元の姿を取り戻していく。さらに、精悍な獣人の姿へと変わっていった。

雷牙王ブリッツ・ランポ
「ゴメンよ、ぼくのせいで、イタイ思いしたよね。でももうダイジョウブ、これで正気にもどってキングタウロス大公!」

黄色いマフラーをなびかせ、二刀に分かれたサンダーエッジで目にも止まらない連続攻撃を繰り出すブリッツ・ランポ。そのスピードはキングタウロス大公をはるかに凌駕していた。

大公の渾身の一撃をサンダーエッジで凌ぎ、そこへ雷を帯びた二斬撃を食らわせると、大公は剣を収めてくれた。

キングタウロス大公に勝利したトアたちは、新たなレジェンドスピリットを手に入れ、また次のレジェンドスピリットを探すため、旅を続けるのであった――

???
「そう、うまくいくかな?」

一瞬の出来事であった。勝利に安堵し、気が抜けた瞬間をつかれてしまったトアたち。

???
「お前の本性は破壊と横暴だ! その力、崩壊契約でこそ輝くというもの! 我が元へ来い、キングタウロス大公ッ!!」

足元に広がる魔法陣に沈んでゆくキングタウロス大公。ランポは力を使い果たし、プチランポの姿に戻ってしまっている。他の誰も反応することができなかった。

契約の巫女トア
「カイ~~~っ! 今回は絡んでこないから安心してたのに! あんた、ゲームはどうしたのよ! 横からかっさらっていくなんて、あんたらしくないじゃない!」
契約者カイ
「長い目で見れば、これもレジェンドスピリット争奪戦というゲームの一幕だと思わないかい?」
「それに、キングタウロス大公はどうしても必要な駒なのだよ……」
契約の巫女トア
「屁理屈いってんじゃないわよっ! そっちがその気なら、あたしたちも手段を選ばないよ! みんな、カイをやっつけちゃって!」
契約者カイ
「おお、コワイコワイ。さすがに7体の契約スピリットと一斉には戦えないな」
「三十六計逃げるに如かず……キングタウロス大公はもう我が手中にある」
「もうここに用は無い。さらばだ!」

一瞬で空中に消えるカイ。こうなってはもう後を追う事はできない。敗北感に包まれるトアたち。

プチランポ
「トア……ゴメンね~。ぼく、大公に勝ったのに、カイに大公もってかれちゃった~」
契約の巫女トア
「ううん、ランポは悪くない、悪いのはカイだよ……あぁ~もうっ思い出したら、腹立ってきちゃった! みんな! 帰って美味しいごはん食べて、このことは忘れよう!」
プチグロウ
「腹立つんじゃなくて、腹減ったじゃねーか」
契約の巫女トア
「細かいことは気にしない~」
造相棒レーヴ
「燃料補給 燃料補給」
プチランポ
「わ~い、ぼくもお腹へった~! ごはん食べよ~食べよ~!」

突然のカイの襲来で手に入るはずだったキングタウロス大公を奪われてしまったトアたち。しかし、気を落としていても始まらない。プチランポの加入で一層にぎやかになる一行は、気持ちを切り替えて旅を続けるのであった。

プチランポ