第2回 アルティメットの傾向と対策
 こんにちは、こんばんは、アニョハセヨー……韓国帰りの中澤です。
 2週間前のこと、韓国で初めて開催されたバトスピチャンピオンシップにジャッジとしてお呼ばれして、じっくり大会の様子を見てきました。
 いやー、韓国の大会にはビックリしました。
前日初めて知らされたんだけど、韓国では、覇王編の最初のスターター、はじめてセット、第1弾、第2弾しか発売されていないんだって。
これがどういうことかわかるかな? 当然、大会では発売中のハングル版カードしか使えない。過去弾まったくゼロ。要するに覇王編以外みんな禁止カード! みたいなもの。

日本では考えられない異次元の環境。開催初年度のJリーグみたいなものですよ。他国にあまり例のない2ステージ制ですよ。独自のレギュレーションってやつですよ。来年から復活ですね。時代に逆行とかいろいろ意見はあるけれど、株式会社ORGはJリーグを応援しています。いや、しているのはわたしだけだけど。いやいやJリーグはどうでもよくて、バトルスピリッツのお話です。
さて、この異次元環境がどんな感じだったかというと、見渡す限り、みんな赤! 
……そりゃそうか、マ・グーにカグツチ、アシュライガーだもんなー。
……過去弾抜きの調整だと、赤が抜けて強くなってしまうのかー。過去弾と切り離した調整方法もテスターと相談しないとなー。
……でも、カードプール少ないんだから、偏るのは仕方ない、うん、仕方ないよオレ。
と、反省したり、自分で自分を慰めたり、楽しいながらもいろいろ考えさせられたのでした。
 結果は、1位赤、2位紫、3位白……赤に染まっていたわりには、ばらけた感じ。
 韓国での大会は、とっても有意義な経験でした。韓国のプレイヤーのみなさん、おつかれさま! 日本ではアルティメットという新カードが暴れている(予定)ですから、先を楽しみに待っててくださいねー! 

 というわけで、日本のみなさん。
大会で暴れている(予定)のアルティメットのお話です。
 そう、ここまで前フリだから。

 さて、みんなはアルティメットをデッキに何枚入れているかな?
 強力なフィニッシャーとして3枚だけ入れるなら何の問題もない。そのまま投入するだけでデッキの力を底上げしてくれるはずだ。攻めも守りもいける万能選手っぷりに、君の心もわしづかみにされますよ。今期はいい助っ人外国人をスカウトしてきたなぁと、左うちわでくつろげますよ。
 問題は6枚以上投入しようと考えているときだ。
これはある程度アルティメット向けのチューンが必要になる。メッシとCR7とイブラを……Xレア級のアルティメットを大量にデッキに入れても、単純に強くはならない。
コストの問題ではない。
もしアルティメットのコストが、4、5、7でばらけていても、9枚のアルティメットを同時にデッキに入れると、けっこうな確率で「あれ、このターンなんにも出せないぞ」という状況に陥ってしまいがちだ。たくさんの優秀なアルティメットを同じデッキで活躍させるためには、きちんと理論が必要なのだ。本田と香川の共生問題はデッキの中でも発生してしまうのだ。そろそろサッカーネタうざいですか? 事故は会議室で起きているんじゃない、デッキで起きているんだ! 古いですか? そもそも会議室でバトルしていたら、事故は会議室で起きているんですけどね。
それじゃあ、アルティメットはたくさん使うことはできないのか?
いや、アルティメットの大量投入で強力デッキを作ることは可能である!

注目のキーワードは「アルティメットシンボル」と「召喚条件」だ。

 と、いよいよ傾向と対策っぽく本題に入りかけたところで、今回はここまで。
 なんなんだそれはというお怒りの声が聞こえてきそうですが、あっかんべ……自分としても前フリが長すぎたと猛省しております。
 次回「今度こそアルティメットの傾向と対策」でお会いしましょう。

中澤 光博
(株式会社ORG)

数多くのトレーディングカードゲーム開発に携わっており、BattleSpirits開発初期からゲームデザインを手がけるクリエイター。公式大会ではジャッジも務める。

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