第1回 アルティメット
 全国のバトスピファンのみなさん、はじめまして。
 バトスピが作戦名「daybreak」だったころから開発に参加している3名の中の1人、エージェントグリーンこと中澤と申します。スターターについてるマニュアルの一番後ろのほうに、ちょこっと名前が出てたりしてます。
バトスピチャンピオンシップに参加したことがある人なら、茶髪でノッポな公式ジャッジと言えば、思い出してくれる人もいるかも。

 以前からみなさんからリクエストをいただいていたお話の中には、ミスターエリオットが答えるには難しい内容のものがたくさんありました。
「ロロの話をもっと知りたい」とか、
「バーストの条件って増えないの?」とか、
正直めんど……さまざまな事情により先延ばしになっていましたが、ジャンケンで負……準備が整いましたので、過去の話から、現在開発中の中身も含めた未来の話まで、このコラムで暴露していこうと思います。

 記念すべき第1回は、今が旬「アルティメット」に関するお話です。

 アルティメットで目指したのは単独で強いカードです。野球やサッカーでいうところの助っ人外国人です。
強力な打者やストライカーはチームを選ばず一定の活躍をしてくれます。
だからアルティメットは「どんなデッキでも」「誰が使っても」強いカードにしようと考えました。
ふたつのコンセプトを実現するために与えられたのが、「コンボさせない」ことと「運の要素を入れる」ことです。
アルティメットは合体できず、味方の効果を受け取れないようにしたのは、特定のカードやデッキで活躍するのではなく、個の力を強調したいというメッセージです。
アルティメットトリガーは、「ガード」という計算違いが生まれることで初級者と上級者の差を縮めるために用意されました。

まだアルティメットを使ったことがない人は、ぜひ自分の今のデッキから3枚カードを抜いて、そのデッキカラーにあったアルティメットを3枚入れてみてください。同じ色でさえあれば、違うカード3枚でもぜんぜん大丈夫です。
何回かバトルしていると、クリスチアーノ・ロナウ……アルティメットってすげーなーということも、同時にアルティメットが出たからといって、それだけじゃゲームには勝てないなーということも実感してもらえると思います。あくまで助っ人外国人なんです。

 と、まあここまでは第1弾のお話。
 もちろん、助っ人外国人にもいろんなタイプの選手がいます。マンチェスターユナイテッドの香川選手のように、連携が命の助っ人外国人もいます。個人的な趣味から、サッカーの話が多めですすめさせていただいております。
 カードゲームの効果のデザインは、既存のルールを壊しながら進められるものです。
 第2弾になって、アルティメットがどのように進化していくかは、また別の機会にお話ししましょう。

 今回はここまで。
 次回のテーマは「アルティメットの傾向と対策」でお送りいたします。

中澤 光博
(株式会社ORG)

数多くのトレーディングカードゲーム開発に携わっており、BattleSpirits開発初期からゲームデザインを手がけるクリエイター。公式大会ではジャッジも務める。

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