2013年2月22日
The Audience

バトルスピリッツファンのみなさん、こんにちは。読者のみなさんは、コラムがみなさんに向けて書かれているとお思いかもしれません。実際、ほとんどのコラムは読者の方々に向けたメッセージですが、そうでないものもあります。みなさんが読んでもつまらない内容になっているわけではありませんが、読者を楽しませるために書かれたコラムではないのです。その一部のコラムは、私自身やバトスピ特別調査室のエージェントが、ゲームを作るときにどうやって決断を下したのか、忘れないようにするために書かれています。ゲームをデザインするときには、誰のために作るのかを把握することがとても重要ですが、特にバトスピにおいて、これは非常に大切な要素です。
 
これまでに、私は数多くのゲームを世に送り出してきました。デュエル・マスターズやバトスピのようなトレーディングカードゲームも作りましたし、日本の女の子向けにチャームエンジェルというゲームを作ったこともあります。こういったゲームをデザインする中で大切なことは、ゲームのターゲットとなるのが自分ではないことを覚えておくということです。もちろん、私も気に入って楽しく遊べるようなゲームであれば嬉しいですが、大切なのはゲームの対象となる人たちが楽しく遊べることです。変わり者のアメリカ人ゲームデザイナー向けのゲームが登場すれば、私は気に入ると思いますが、他の人たちにはそれほど魅力的には映らないでしょう。
 
バトスピは様々なタイプのプレイヤーを対象としているため、どのプレイヤーでも楽しめるようにデザインしなくてはなりません。過去のコラムでも、バトスピプレイヤーの3つのタイプをご紹介しました。1つ目はカジュアルプレイヤー。BPが大きくて効果が強いカードを好む人たちです。支払うコストはそれほど重要ではなく、このタイプのプレイヤーにとっては、カードによって何を得られるのかが最大のポイントです。
 
2つ目のタイプはコンボプレイヤーと呼んでいます。面白いつながりを見つけるのが好きで、例えば【激突】と【呪撃】を組み合わせて大型のスピリットを破壊したり、3~4枚のカードを組み合わせてゲームに勝利したり、方法は様々です。このタイプのプレイヤーは、カード自体の強さよりも通常と違う効果を好むので、革新的なデッキを組む人が多いのも特徴だと言えます。
 
3つ目のタイプは、トーナメントレベルの本格的なプレイヤーです。トップカードを使い、勝つことに注力します。特にお気に入りのデッキがあるわけではなく、最も勝率の高そうなデッキをプレイするケースが多いようです。
 
このように、バトスピにはタイプの違うプレイヤーがいますから、「全てのプレイヤーに向けて、どうやってゲームをデザインするの?」と聞かれることもあります。しかし実は、私たちは全てのタイプのプレイヤーに向けてゲームをデザインしているわけではないのです。
 
トーナメントレベルのプレイヤーはトップカードを使うため、このグループを対象にしたカードをデザインする必要はありません。リリースされているカードが過去のカードに対抗できるかどうかに注意していれば、あとはプレイヤーがベストなカードを見つけ出し、使ってくれるからです。コンボプレイヤー向けのカードについても、デザインするのにそれほど多くの時間は費やしません。すでに2,000枚以上のカードがリリースされているため、新しいカードを過去のカードと組み合わせることが可能です。そして新たなコンボを発生させたり、既存のコンボに変化を加えたりすることができるのです。
 
そこで、工夫が必要になるのがカジュアルプレイヤー向けのデザインです。彼らは新しくて面白いけれど分かりやすくてすぐに使えるカードを好みます。プレイヤーが使ってみたくなるようなカードであれば、強さに関係なく、最終的にはトーナメントレベルのデッキにも入ります。このタイプのカードは、毎回使えない方が効果的です。そうすると、プレイヤーがそのカードを使って勝ったことを忘れないからです。ゲームをするたびに使えるようになってしまうと、ワクワクすることもなくなってしまいます。つまり、私たちのすべきことは簡単です。この1つのグループ向けにカードをデザインすれば、他のタイプのプレイヤーにも気に入ってもらえるのです。こう考えると、私たちの仕事は簡単そうに聞こえますが…みなさんはどう思いますか?
 
では、また次回お会いしましょう。

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