2012年12月14日
By the Numbers

バトルスピリッツファンのみなさん、こんにちは。以前もお話しましたが、ゲームデザインには数学をよく使います。コスト、BP、レベルアップコストなど、カードに記載された数字にも数学が使われていますし、基本的なデザインにも数学の要素が幅広く使われています。
 
ほとんどのトレーディングカードゲーム(TCG)で、デッキに入れられる同じカードの枚数や、最低限デッキに入れなくてはならないカード枚数が決まっています。通常、デッキに入るカードの枚数が増えると良いカードをドローする確率が下がるため、カード枚数の上限はありません。デッキのすべてのカードが同じ強さでない限り、できるだけ少ないカードでプレイする人が多いでしょう。トーナメントで、粉砕などの効果に対抗しようとする場合は別ですが。
 
バトスピや遊戯王など多くのゲームで、カードをドローできなくなると負け、というルールがあります。そのため、デッキに入れるカードの枚数が重要になります。例えば、皆さんが先攻でお互いデッキに40枚のカードがある場合、ドロー効果を持つカードがなく、ターンごとにお互い1枚ずつドローしていくと、先攻の皆さんのカードが先になくなるでしょう。シールド戦などでカードの枚数が決まっている場合を除き、プレイヤーはドロー効果や破壊効果を使うため、上記のような状況が実際のゲームで生じることはありません。ですから、シールド戦でも、規定の枚数よりもカードを多く入れたいと思うプレイヤーがいるかもしれません。
 
大抵のゲームで、デッキに入れるカードの最低枚数が決まっています。バトスピや遊戯王、デュエル・マスターズは、40枚以上のカードでデッキを組みます。一方、マジックやポケモンでは、60枚以上のカードが必要です。マジックとポケモンは(ランド、エネルギーと呼ばれる)リソースカードを使うため、デッキのカード枚数が多くなるのです。一方で、デュエル・マスターズのカードは、本来の効果に加えてリソースとしても使えますし、バトスピではコアを使います。つまり、どちらのゲームも、リソースとして使うためだけのカードを入れる必要がなく、デッキの枚数が他のゲームほど多くなりません。遊戯王はリソースを使わないシステムなので、バトスピ同様、デッキの枚数は多くなりません。初心者にとっては、デッキに入れるカードの枚数が少ないほどゲームを始めやすく、リソースカードがなければデッキの構築も簡単になります。一度の対戦でデッキのカードをすべて使うことは少ないため、40枚のデッキがあれば色々なパターンでドローすることになり、ゲームを毎回同じように感じることはないでしょう。
 
特定のカードの使用枚数が制限されていることもあります。私は、1990年代にNetrunner(ネットランナー)というTCGのデザインをしましたが、このゲームではカードの使用枚数が制限されていませんでした。そのため、プレイヤーが大量のカードを持っていたり、とても強いカードを何枚も持っていると、バランスが崩れることがありました。マジック、ポケモン、デュエル・マスターズでは、プレイヤーは同じカードを4枚までしかデッキに入れられず、バトスピと遊戯王では3枚までとなっています。色々なカードを使うとゲームが面白くなるので、個人的には3枚までにした方が良いと思います。同じカードが3枚まで使用可能で40枚でデッキを組む場合、少なくとも14種類のカードを使わなくてはなりません。例えば、13種類のカードを3枚ずつ+それ以外のカードを1枚、もしくは12種類のカードを3枚ずつ+2種類のカードを2枚ずつ入れることも可能です。これがカードの種類を最小におさえたデッキの例です。
 
「ハイランダー」と呼ばれるデッキでは、すべてのカードを1枚しか入れられないため、40種類のカードを1枚ずつ入れることになります。40枚で構築するトーナメントレベルのデッキには、14種類~40種類のカードが使われます。多くのプレイヤーが使用枚数を制限されたカードを使うため、トーナメントレベルのデッキには、18種類前後のカードが入ることが多いようです。
 
デッキ全体に対する割合によって、そのカードをドローする確率が決まるため、カードの枚数が重要です。40枚のうち、あるカードが3枚入っている場合、デッキのわずか7.5パーセントしか占めていないことになります。40枚中、4枚同じカードを入れると、全体の10パーセントになり、10種類のカードでプレイできます。私は、同じカードを3枚までにして、カードの種類を増やす方が好きです。このような制限は、あらかじめ決められたものですから、デッキ構築の数学テクニックを理解していれば、実際にデッキを組むときに役立つでしょう。相手と競うタイプのゲームでは、些細なことで有利に立てることもあるのです。
 
では、また次回お会いしましょう。

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